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18.2 一番だし
目的は同じでも、その方法においては、微妙に違うのがだしの取り方であろう。いくつかの方法を紹介する。
- 辰巳流:[42][43]
- 材料:昆布5cm角10枚、水10カップ、かつお節40g
- 昆布 5cm角10枚は、1時間ほど、水10カップにつける。一晩つけておく水だしでもよい。この段階で味を見る事。
- 中火の強の火にかけ、昆布に泡がつき、ゆれ始めたら火を弱める。
- 味を見て、昆布を取り出す。この間、15〜30分程度。臭みが出る直前に取り出す。比較的長時間煮るには、昆布の滋養を引き出すため。火加減により、昆布のくせが出る事はない。
- 盃一杯の水を入れて温度を下げてから、かつお節40gを鍋全体に入れる。
- いったん沈んだかつお節が浮いてきたら、味を確かめ、漉し器で一気に漉す。
- かつお節を入れたら、長く煮てはいけない。呼吸で五呼吸程度。
- 1週間分をまとめて作り、保存(冷蔵)しておくとよい。保存の時には、梅干しと少々の塩を入れる。
- 本枯節の中心部が良い。本枯節の皮下の7mm位は、みそ汁、煮物用に使う。
- 昆布は天然だし昆布を使う。
- 二番だし:一番だしの8割に水(8カップ)と、一番だしに使った昆布とかつお節を中火の強にかけ、煮えがついたら、ひとつかみのかつお節を加え、25分ほど静かに煮る。味を確かめて、漉す。
- 柳原流:[22]
- 材料:昆布21cm、水6カップ、かつお節20〜25g
- 鍋(内径21cm)に水カップ6を入れ、約21cm(鍋の径程度)の昆布 を入れ、中火にかける。
- 煮立つ寸前に昆布を取り出す。
- 煮立ってきたら、削り節(20〜25g)を静かに加え、すぐに火を止める。
- 表面に浮いている削り節をはしで押さえ、約1分間おく。
- ボウルに盆ざるをのせ、上にふきんを敷いて、だしをこす。
- ふきんをまとめ、箸で押さえて絞る。
- 野崎流:[34]
- 材料:昆布8cm角1枚、水5カップ、かつお節20g
- 鍋に水5カップ、昆布 8cm四方を入れて、弱火で、5分から10分ほどかけて90度ぐらいまで温度をあげる。
- 昆布を取り出す。
- 汁を一度沸騰させて、火からおろす。
- 水カップ1/2を加える。
- 削り節20gをほぐすように加える。
- 削り節が浸ったら、再び水カップ1/2を加え、温度を80度にする。
- そのまま30秒ほどおき、布、又はキッチンペーパーで漉す。無理に絞らないこと。
- だしは、煮出すのではなく、抽出する。そこで温度が重要。
- かつお節と昆布は入れ過ぎてもおいしくない。水に対して、重さで削り節が1/50、昆布が1/100の割合が目安。
- 土井流:[11]
- 材料:昆布10cm角1枚、水4.5カップ、削りがつお15〜20g
- 昆布10cm角1枚は、堅くしぼったぬれ布巾でよごれをとり、横に切れ目を入れる。
- 鍋に水4.5カップと昆布を入れ、中火。
- 沸騰直前に昆布を引き上げ、火を弱める。
- 削りがつお15〜20gを入れる。
- 煮立ったら火を止めて削りがつおが沈むのを待つ。
- ぬれ布巾で静かに漉す。堅くしぼらず、水気が残っているていどにする。
- (?)式
- 水カップ10に、昆布 6cm 角を入れ、柔らかくなるまでつけておく
- 強火にかけ、沸騰直前に昆布を出す
- 煮立ったら、かつお節 40g を入れて、火を止めて、あくを取る
- ふきんでこす
- 臨機応変流:これは、時間の無いとき、あるいは、だしだけが立派でもバランスがとれないと懸念される時などに試してみたい方法である。
- 作るものの中へ同時に昆布、あるいは紙につつんだ削り節を、直接入れる方法。
- 旨味が足りないと感じた時に、市販の和風だしをわずかに使用する。多く使うと味をそこなう事があるので注意する。
- 野永流
- 材料:水1800cc、昆布25g、削りがつお20g
- 鍋に水1800ccと昆布25gを入れ、弱火で30分。これは昆布の旨味は60 70度で良く引き出せる為。
- 昆布を取り出したら強火にして、ふつふつとなるまで。
- 削りがつお20gを入れて、火を消す。
- すぐに漉す。
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Kozan
平成28年2月8日