next up previous contents index
次へ: 19.5 庖丁 上へ: 19. 料理に関するコメント集 戻る: 19.3 中華庖丁   目次   索引

19.4 豆腐

湯豆腐が大の好物であり、夏にも食卓に出る。美味しい豆腐屋さんが売りに来てくれて、重宝していたが、国産大豆の方がよさそうだという見解に従って、その豆腐屋さんをやめて以来、なかなか美味しい豆腐にありつけないで困っている。昔は、熱い豆腐に簡単に醤油をかけて食べていたが、この数年来は、日本の味の基本ともいえる二種類のだしと共に食べるようになった。すなわち、湯豆腐に使う汁は昆布だしであり、その中で暖めた豆腐を、削り節が入った醤油につけて食べるという方法である。醤油につけて豆腐の温度を食べやすく下げている効果もある。この食べ方はタイミングが重要である。適度に暖まった豆腐は、食べてくださいと言いながら、土鍋の底から浮き上がってくるので、そこを食べればよいから、意外と簡単である。その風情がわからないと、土鍋の中を野菜などで一杯にして、豆腐を隠してしまうような鍋もある。浮き上がれずにもがいている豆腐の悲鳴が聞こえる。
next up previous contents index
次へ: 19.5 庖丁 上へ: 19. 料理に関するコメント集 戻る: 19.3 中華庖丁   目次   索引
Kozan 平成28年2月8日